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映画の原作本2冊

5月13日(月)      「孤独な天使たち」  (ニッコロ・アンマニーティ著)

  Kodoku_b.jpg  Kodoku_m.jpg 映画のちらし

 周囲となじめず心を閉ざした少年と麻薬に侵された義姉との地下室での一週間。巨匠ベルトルッチにより映画化。彼は本書と出会って10年の沈黙を破ったといわれる。2013年GW日本公開!

「著者自身の言葉によると、作品はまず口述の語りとして生まれるという。親しい友人に物語を語って聞かせ、
相手の反応から手応えを感じてはじめて、執筆に移るということである。アンマニーティの作品の持つ強い物語性、テンポの良い展開などは、「語り」として生まれればこその特徴であろう」

「映画が著者の素養にあって重みをなしているためか、執筆時には、かなりはっきり視覚的イメージがあるという。それが関係しているのか、アンマニーティはイタリアにあって作品の映画化率の非常に高い作家である。『最後の元日』(=マルコ・リージ監督 1998年)、『えら』(=フランチェスコ・ラニエーリ・マルティノッティ監督 1998年)、『ぼくは怖くない』(=ガブリエーレ・サルヴァトレス監督 2003年)、『神の思し召しのままに』(=同監督 2008年 邦題『絆』)の4作に加え、本書もベルナルド・ベルトルッチ監督によって映画化されたばかりである。2012年初夏のカンヌ映画祭で招待作品として上映されて好評を得、イタリアで秋に公開された。」       (いずれも訳者あとがきより)

 ストーリーは少し変えてあり、舞台となる地下室にベルトリッチの目、ロレンツォとオリヴィアを演じるふたりの新人の個性が加わって、原作とはまた少し味の違った作品に仕上がっている。映画が気になりますし、観たい!
そう言えば、『ぼくは怖くない』も読みやすかったし、映画も見ました。



5月16日(木)      「ある秘密」  (フィリップ・ダランベール著)

 Aruhimitu_20130518205754.jpg 

 父さんと母さんは何か隠してる…。ひとりっ子で病弱なぼくは、想像上の兄を作って遊んでいたが、ある日、屋根裏部屋で、かつて本当の兄が存在していた形跡を見つける。1950年代のパリを舞台にした自伝的長篇。

 孤独な少年の夢想が残酷な過去を掘り起こす。高校生が選ぶゴンクール賞受賞のベストセラー

 「孤独な子供が両親の過去をめぐってつむぎだすファンタジーの世界から出発し、歴史の闇が口をひらく瞬間へと向けて、ぼくらは少年とともに旅をし、発見を重ね、成長していく。やがて、息を呑むような衝撃の連続に打ちひしがられながら、その衝撃に負けない精神のあり方を教えられるのだ。死者に対する罪悪感を抱えて生きた両親への主人公の情愛、そして「兄さん」に寄せる痛切な思いのうちに、この作品のたぐいまれな美しさが輝きだす。」(訳者あとがきより)

 映画は3月に見ていたのですが、本読んですっきりした感じです。

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窪美澄の本

5月12日(日)          「晴天の迷いクジラ」

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 壊れかけた三人が転がるように行きついた、その果ては?人生の転機に何度も読み返したくなる、感涙の物語。

 本の帯には次のように書かれていた。そして、<人生の転機に何度も読み返したくなる、感涙の物語>とあった。
由人(ゆうと)(24歳) :仕事の忙しさに鬱になり、恋人に振られ、務めていたデザイン会社が潰れそうな(ついでに自分も潰れそうな)青年。
野乃花(ののか)(48歳) :女を捨て故郷を捨てがむしゃらに働いてきたが、不景気のあおりで自らの会社が壊れていくのをただ見守るしかない女社長。
正子(まさこ)(16歳) :母親の偏った愛情に振り回され、たったひとりの友達を失い、引きこもったリスカ少女。

 目次は、Ⅰ.ソラナックルスボックス    初出 「yom yom」22号
      Ⅱ.表現型の可塑性            「yom yom」23号
      Ⅲ.ソーダアイスの夏休み        書き下ろし
      Ⅳ.迷いクジラのいる夕景        書き下ろし 
                    Ⅰ.Ⅱ.のタイトルが意味不明である!

 はじめて読んだ作家です。「ふがいない僕は空を見た」もいずれ読む予定です。

GW期間の読書2冊

5月1日(水)     「ハピネス」   (桐野 夏生著)

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 三十三歳の岩見有紗は、東京の湾岸地区にそびえ立つタワーマンションに、三歳二カ月の娘と暮らしている。結婚前からの憧れのタワマンだ。おしゃれなママたちのグループにも入った。そのリーダー的な存在は、才色兼備の元キャビンアテンダントで、夫は一流出版社に勤めるいぶママ。他に、同じく一流会社に勤める夫を持つ真恋ママ、芽玖ママ。その三人とも分譲の部屋。しかし有紗は賃貸。そしてもう一人、駅前の普通のマンションに住む美雨ママ。彼女は垢抜けない格好をしているが、顔やスタイルがいいのでいぶママに気に入られたようだ。
ある日の集まりの後、有紗は美雨ママに飲みに行こうと誘われる。有紗はほかのママたちのことが気になるが、美雨ママは、あっちはあっちで遊んでいる、自分たちはただの公園要員だと言われる。有紗は、みんなには夫は海外勤務と話しているが、隠していることがいくつもあった。そして、美雨ママは、有紗がのけぞるような衝撃の告白をするのだった……。「VERY」大好評連載に、新たな衝撃の結末を大幅加筆!

「有紗が抱える「秘密」もまた読ませる。ママ友とのつき合い同様に、流されるまま、現実と向き合おうとしてこなかった有紗が、少しずつ変わっていく様がいい。読み応えたっぷりの一冊だ」
  「リアルに描き出す「呪縛」」(吉田伸子・書評家) 新聞書評より
   

5月5日(日)    「山あり 愛あり」   (佐川 光晴著)

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 周三は大手都市銀行で不良債権処理に追われる日々を送った。20年勤務した後に早期自主退職した周三は、長らく封印してきた登山を再開するつもりだった。だが母子家庭支援のNPOバンク設立に関わってほしいと依頼される。周三も父親の顔を知らずに育った身だが、母親とは憎しみの果てに義絶していた。その母親が、いま死に瀕しているという…。元銀行マンが選んだ、新たな道。山に向かって姿勢を正す―。愛する山に恥じぬよう、一度きりの人生を歩んでゆく。共感と静かな感動を呼ぶ傑作長編。

「仕事に追われ、毎日を送っているうちに人生はあっという間に過ぎていく。老いの兆しを感じ始めたころ、ふと立ち止まり、自分の来し方を振り返る。このままここで生きていくのか、別の人生を歩くのか。誰もが一度は考えることかもしれない。……」
  「迷って見つける次の人生」(いずみ凛・脚本家) 新聞書評より

 NPOバンクの名前が『鳩の翼』に驚いた。ヘンリー・ジェイムズの作品を思い出したりした。(全く関係がない!)。山好きな私にとって、「山に向かって姿勢を正す」は頷ける。

王妃に別れをつげて

4月25日(木)        「王妃に別れをつげて」 (シャンタル・トマ著)

 Ouhi_b.jpg   Ouhi_m.jpg  映画化作品のちらし

 女たちのフランス革命!
フランス革命に言及する際、歴史家たちはパリで何が起こったかについては散々語ってきた。しかし、当時フランス王国の実質的な首都機能を有していたヴェルサイユがその時をどう迎えたのかについては、ほとんど語られてこなかったと著者は言う。王は、王妃は、一体どうしていたのか……。
本書は、サド侯爵やカサノヴァなどの十八世紀文学の専門家が、当時の資料などをもとに、マリー・アントワネットの朗読係という魅力的な人物を創造し、彼女の目を通して、ヴェルサイユという巨大な富と権力の牙城が一瞬にして崩壊した激動の三日間を描き出した、歴史フィクションである。
物語の中心は、朗読係アガート・シドニーと彼女が心酔する王妃マリー・アントワネット、そして王妃が深く愛したポリニャック夫人の三名。これほどまでに、情熱的で魅惑的なマリー・アントワネット像があっただろうか。フェミナ賞受賞作。映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』原作。

ポリニャック伯爵夫人ことポリニャック伯爵夫人(公爵夫人)およびマンチーニ侯爵夫人ヨランド・マルティーヌ・ガブリエル・ド・ポラストロンは、フランス王ルイ16世の王妃マリー・アントワネットの取り巻きの一人である。寵臣としてさまざまな恩恵を王家から引き出したことで悪名高い。(ウィキペディア) しかし、この本では一族に操られた人物として描かれている。

映画も見たくなりました。マリー・アントワネット=ダイアン・クルーガー、ポリニャック夫人=ヴィルジニー・ルドワイヤン、そして語り手アガート・シドニー=レア・セドゥが見もの。

海賊とよばれた男など

4月11日(木)          「海賊とよばれた男」

   Kaizoku1.jpg   Kaizoku2.jpg

 「ならん、ひとりの馘首もならん!」--異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造は、戦争でなにもかもを失い残ったのは借金のみ。そのうえ大手石油会社から排斥され売る油もない。しかし国岡商店は社員ひとりたりとも解雇せず、旧海軍の残油浚いなどで糊口をしのぎながら、逞しく再生していく。20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と闘った男とは--出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクション・ノベル。

 【著者コメント】
 二年前のある日、テレビ関係の友人と雑談している時、「日章丸事件って知ってる?」と訊かれました。知らないと答える私に、彼女が概要を説明してくれたのですが、それは俄かには信じられない事件でした。いまだ戦争の痛手から立ち直れないでいた昭和28年、「七人の魔女」と呼ばれる強大な力を持つ国際石油メジャーと大英帝国を敵に回して、堂々と渡り合い、世界をあっと言わせた「日章丸」というタンカーがあったというのです。
興味を抱いた私は早速調べてみましたが、事件の全貌を知るにつれ、驚愕すると同時に震えが止まらなくなりました。そこには現代の日本人が忘れかけている「勇気」「誇り」「闘志」そして「義」の心を持った男たちの姿があったからです。しかしそれ以上に私を驚かせたことがありました。それは、そんな男たちを率いた一人の気骨ある経営者の人生です。その九十五年の生涯はまさしく凄絶としか言いようのないものでした。
――なんという凄い男がいたんや!
私は「この男を書きたい!」と心から思いました。いや――書かねばならない!この素晴らしい男を一人でも多くの日本人に知ってもらいたい!それが作家としての使命だ。
気が付けば、取り憑かれたようにワープロに向かっていました。小説家になって六年、執筆しながらこれほどの充実感を覚えたことはありません。
この作品は「小説」という形を取っていますが、登場人物はすべて実在しました。そしてここに描かれた出来事は本当にあったことです。この奇跡のような英雄たちの物語が、一人でも多くの日本人に届くことを心から願っています。

 久しぶりに感動した作品でした。読みごたえも充分で、下巻の途中でこの作品が今年の本屋大賞に輝きました。ついでと言っては何ですが、映画化にもなった「舟を編む」を読みました。

4月18日(木)    「舟を編む」

  Funeamub.jpg   Funeamum.jpg  映画化作品

 玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説。

 映画も気になってます!

佐川光晴の本

3月10日(日)        「縮んだ愛」

  Tijinda.jpg

 障害児学級のベテラン教員を襲った、ある<事件>。
告白体で語られるその顛末と、物語にひそむミステリー。
各紙誌で注目、期待の新鋭による芥川賞候補作!

 『縮んだ愛』の語り手は公立小学校で長年、障害児学級を担当してきた教師で、文体もそうした語り手にふさわしいものに工夫されている。丹精でもっともらしく、きまじめ、正しいことしか言わない。(……)教員、しかも障害児教育という「最も正しい」仕事に携わる人たちにとっての最大の罠が、この作品では緻密に構成された、「偽善」の文体で表現されている。(……)ここではそれに見事に成功していると思った。――津島佑子氏・朝日新聞文芸時評(2002年2月 27日)


3月12日(火)        「ジャムの空壜」

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 職を失った男は司法試験を目指して勉強中。妻は小学校の教師。結婚後四年、不妊症であることが判明した二人は、人工授精に挑戦する…。自らの体験をモチーフにして綴った、芥川賞候補作。



3月17日(日)        「永遠の誓い」

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 平穏なるときも、苦しきときも、永遠に変わらぬ愛を、誓います。
中学校教員の夫と保育士の妻が営む幸福な結婚生活に、初めて訪れた試練が照らしだすものは
基本的に善人である市井の凡人を、平凡な位相で捉えて単線構造で語り、なおかつ飽きさせないというのは、作者の膂力が意外に大きいことを示している。佐川光晴の「平凡」は平凡ではないのだ。


 学校や家庭など毎日同じ人同士が顔を合わせて生活せざるを得ない場所で、加害・被害関係が特定しがたい暴力が起こったとき、そこで生活する人々にどのような波紋が及ぶのか、出だしから中後半まで、圧倒的な密度の時間描写で提起された問題の棘が、読後、足元から脳髄に突き刺さってくる。
酒井信氏(文學界2005年4月号)


   3月2*日(*)        「ぼくたちは大人になる」

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 達大は医学部進学を目指し、受験勉強にいそしむ高校三年生。彼は同級生の喫煙を学校に告発するが後悔し、死ぬことを覚悟で証拠となるタバコを飲み込んだ。この事件は達大の人生に大きな意味をもたらすことになる。恋人や身寄りのない老人との交流を通じて、達大は「本当の大人」とは何なのか考え、将来への一歩を踏み出してゆく。



 

光圀伝

3月8日(金)           「光圀伝」   (冲方 丁著)

  Mitukuni

 なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出す―。生き切る、とはこういうことだ。誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕。

 非常に読みごたえのある力作の800ページ。前作の天地明察よりも面白いと思いました。

感想の追加はいずれします・・・

桐野夏生の本

2月15日(金)        「ナニカアル」

  Nanikaaru.jpg

 昭和十七年、林芙美子は偽装病院船で南方へ向かった。陸軍の嘱託として文章で戦意高揚に努めよ、という命を受けて。ようやく辿り着いたボルネオ島で、新聞記者・斎藤謙太郎と再会する。年下の愛人との逢瀬に心を熱くする芙美子。だが、ここは楽園などではなかった――。戦争に翻弄される女流作家の生を狂おしく描く、桐野夏生の新たな代表作。島清恋愛文学賞、讀賣文学賞受賞。




2月20日(水)        「魂萌え」

  Tamamoe1.jpg   Tamamoe2.jpg

 ささやかな<日常>に、豊饒な世界を描き出した、再生と希望の物語。
夫婦ふたりで平穏な生活を送っていた関口敏子、59歳。63歳の夫・隆之が心臓麻痺で急死し、その人生は一変した。8年ぶりにあらわれ強引に同居を迫る長男・彰之。長女・美保を巻き込み持ちあがる相続問題。しかし、なによりも敏子の心を乱し、惑わせるのは、夫の遺した衝撃的な「秘密」だった。
『OUT』や『柔らかな頬』、『グロテスク』同様、世間という荒波を、揺らぎながら漂流していく主人公。これまでの作品のような犯罪は出てこない代わりに、人々の日々の細部が、丹念につづられていく。
「これから先は喪失との戦いなのだ。友人、知人、体力、知力、金、尊厳。数えだしたらキリがないほど、自分はいろんなものを失うことだろう。老いて得るものがあるとしたら、それは何なのか、知りたいものだ」(本文より)
たったひとりで、老いと孤独に向き合うことを決意する主人公。世間と格闘しながら、変貌を遂げていく敏子の姿は、読む者に大きな希望を与えてくれる。私たちが生きる、ささやかで儚い日常という世界を舞台に、著者の新たな代表作が誕生した。




2月24日(日)        「OUT」

  Out1.jpg   Out2.jpg

 乱歩賞作家の特別書下ろし野心作。
平凡な主婦が犯したおぞましい罪。それは殺人者が17年前に封印した悪夢を解き放った。誰も気がつかないうちに。
たった今、新しい犯罪小説(クライム・ノベル)が誕生した!
意表をつく展開、感動の結末!

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。彼女は、なぜパート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?
自由への出口か、破滅への扉か? 四人の女たちが突っ走る荒涼たる魂の遍路。

百田尚樹の3冊

1月19日(火)        「永遠の0(ゼロ)」 

  Eienzero.jpg

 「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる―。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。


1月31日(木)        「風の中のマリア」

  Kazemaria.jpg

 命はたった三十日。戦うことに迷っている暇なんてない。『永遠の0(ゼロ)』と並ぶ、最高の感動作!命はわずか三十日。ここはオオスズメバチの帝国だ。晩夏、隆盛を極めた帝国に生まれた戦士、マリア。幼い妹たちと「偉大なる母」のため、恋もせず、子も産まず、命を燃やして戦い続ける。ある日出逢ったオスバチから告げられた自らの宿命。永遠に続くと思われた帝国に影が射し始める。著者の新たな代表作。私たちはただ務めを果たすだけ。ある日、突然やってくる終わりの日まで。ワーカー(ハタラキバチ)は、現代で働く女性のように。女王バチは、仕事と子育てに追われる母のように。この物語は、「たかがハチ」と切り捨てられない何かを持っている。「世界が広がるはずですよ」(養老孟司―解説より―)




2月5日(火)        「影法師」

  kagebousi.png


 光があるから影ができるのか。影があるから光が生まれるのか。ここに、時代小説でなければ、書けない男たちがいる。父の遺骸を前にして泣く自分に「武士の子なら泣くなっ」と怒鳴った幼い少年の姿。作法も知らぬまま、ただ刀を合わせて刎頚の契りを交わした十四の秋。それから―竹馬の友・磯貝彦四郎の不遇の死を知った国家老・名倉彰蔵は、その死の真相を追う。おまえに何が起きた。おまえは何をした。おれに何ができたのか。


 

クレストブック3冊

1月15日(月)      「タイガーズ・ワイフ」   (テア・オブレヒト著)

   Tigerswife.jpg

 紛争の繰り返される土地で苦闘する若き女医のもとに、祖父が亡くなったという知らせが届く。やはり医師だった祖父は、病を隠して家を離れ、辺境の小さな町で人生を終えたのだという。祖父は何を求めて旅をしていたのか?答えを探す彼女の前に現れた二つの物語―自分は死なないと嘯き、祖父に賭けを挑んだ“不死身の男”の話、そして爆撃された動物園から抜け出したトラと心を通わせ、“トラの嫁”と呼ばれたろうあの少女の話。事実とも幻想ともつかない二つの物語は、語られることのなかった祖父の人生を浮き彫りにしていく―。史上最年少でオレンジ賞を受賞した若きセルビア系女性作家による、驚異のデビュー長篇。全米図書賞最終候補作。
 
 このような物語世界が生まれた背景には、作者オブレヒト自身の経験と、彼女を魅了した文学の伝統がある。一九八五年に旧ユーゴスラビアのベオグラードに生まれたオブレヒトは、七歳のとき、悪化しつつある紛争から家族とともに逃れ、キプロス、エジプトを経てアメリカ合衆国に移り住んだ。自分の人生を一変させたあの紛争とは何だったのか、という問いを追いかけるうちに、彼女はさまざまな戦争や紛争にも通じるような「人間の物語」を見出すことになった。それを描いていくにあたっては、ミハイル・ブルガーコフやG・ガルシア=マルケスといったマジックリアリズムの達人たちから受け継いだ幻想的な語り口が絶妙の効果を生み、ついには『タイガーズ・ワイフ』という小説として結実した。(訳者あとがきから)

 不思議な世界に導かれた作品でした。作家のインタビューなどはこちら
   


1月21日(月)      「ロスト・シティ・レディオ」   (ダニエル・アラルコン著)

   Lostcity.jpg

 舞台は内戦状態にある架空の国の首都。行方不明者を探すラジオ番組「ロスト・シティ・レディオ」の女性パーソナリティーのもとを、ある日ひとりの少年が訪ねてくる。ジャングルの村の人々が少年に託した行方不明者リストには、彼女の夫の名前もあった。次第に明らかになる夫の過去、そして暴力に支配された国の姿―。巧みなサスペンスと鮮烈な語り。英語圏、スペイン語圏の双方で高い評価を獲得してきたペルー系アメリカ人作家による初長篇。PEN/USA賞、ドイツ・国際文学賞、受賞作。



1月26日(土)      「リリアン」   (エイミー・ブルーム著)

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 1924年、美しい娘リリアンが、ロシアからアメリカへやってくる。ポグロム(ユダヤ人迫害)で両親と夫を惨殺され、一人娘も失って、単身、新天地へと渡ったのだ。ニューヨークの従姉の部屋に転がり込んだリリアンは、お針子として自活するが、ほどなく劇場主父子双方の愛人となり、新世界の階段を駆けのぼってゆく。父ほどの年配の男たちとのあいだに育まれる愛情と友情。だがそこへ、死んだはずの娘が生きているという話がもたらされるや、彼女はすべてをなげうってシベリアをめざす。伝説の電信線に沿って、荒野を北へと向かうのだ―。幾人もの人生の物語がぎっしりと詰まった、息をもつかせぬ濃密なストーリー。読者をかたときも放さない真にドラマティックな傑作長篇。




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プロフィール

やまさん

Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
映画鑑賞、読書(映画の原作を先に読むことも多い)
登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

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