スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

7月はジョン・ハート

7月6日(火)     「ラスト・チャイルド」 (ジョン・ハート著)

lastchild.jpg

十三歳の少年ジョニーは、犯罪歴のある近隣の住人たちを日々監視していた。彼は、一年前に誘拐された双子の妹アリッサの行方を探しているのだ。美しい少女だった妹は何者かに連れ去られたが、警察はいまだ何の手がかりも発見できずにいた。ジョニーの父親も、娘が誘拐されてまもなく謎の失踪を遂げていた。母親は薬物に溺れるようになり、少年の家族は完全に崩壊していた。ジョニーは学校を頻繁にさぼり、昼夜を問わない危険な調査にのめり込んだ。ただひたすら、妹の無事と家族の再生を願って―英国推理作家協会賞最優秀スリラー賞受賞作。

 「ラスト・チャイルド」の解説を読むと「川は静かに流れ」のことが多く書かれていてた。その最後に、デニス・ルヘインの「ミスティック・リバー」との対比で書かれていた文章が興味深いので載せておきます。
<少年3人が遊んでる所に警察を名乗る男が近づいて、少年の一人を連れ去る。連れ去られた少年は数日後に戻ってくるものの、あきらかに性的被害をうけていtr、三人のその後の人生が狂っていく。少年時代の事件がトラウマとしてどのように影響を与え、三人がどのような人生を歩むかが、ある殺人殺人事件を通して描かれた>
ジョン・ハートは、被害者の性別も年齢も変え、連れ去られる人間を主人公の双子の妹にし、失踪から一年後の捜索の日々を丹念に描く。ルヘインの主人公たちは大人、ハートの主人公は少年の違いがあっても、描かれるのは家族の苦悩である。

 殺人が絡むミステリーな小説なのか疑う。その中には、家族とは、友情とは、過ちとは、愛とは何かが正面から問いかけられている! 他の作品も興味をそそる。


7月13日(火)     「川は静かに流れ」 (ジョン・ハート著)

JH2.jpg

「僕という人間を形作った出来事は、すべてその川の近くで起こった。川が見える場所で母を失い、川のほとりで恋に落ちた。父に家から追い出された日の、川のにおいすら覚えている」殺人の濡れ衣を着せられ故郷を追われたアダム。苦境に陥った親友のために数年ぶりに川辺の町に戻ったが、待ち受けていたのは自分を勘当した父、不機嫌な昔の恋人、そして新たなる殺人事件だった。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。

 この本の解説を読むと、最初から「キングの死」のことが書かれている(そもそも。読む順番を間違えてる?!)。予想を超える展開が、これでもかと続く。これは、ダニーとアダムの友情を描く小説であると共に、ロビンとの愛を描く小説でもある。そしてさらに、親と子の、兄妹の絆を、哀しくやるせなく描いた小説である。


7月20日(火)     「キングの死」 (ジョン・ハート著)

JH1.jpg

失踪中の辣腕弁護士が射殺死体で発見された。被害者の息子ワークは、傲慢で暴力的だった父の死に深い悲しみを覚えることは無かったが、ただ一点の不安が。父と不仲だった妹が、まさか…。愛する妹を護るため、ワークは捜査への協力を拒んだ。だがその結果、警察は莫大な遺産の相続人である彼を犯人だと疑う。アリバイを証明できないワークは、次第に追いつめられ…。スコット・トゥローの再来と激賞されたデビュー作。

 事件の進行とともに、ピケンズ一家における親子の確執、ワークと妻との夫婦の問題や、彼が子ども時代から抱えている罪の意識がしだいに浮き彫りになっていき、それが物語に独特の雰囲気をあたえると同時に、事件を混迷させる要素となっている。なかでも、物語りのなかではすでに故人となっているエズラ・ピケンズという人物には圧倒される。貧しい家の出身で、それこそ裸一貫でソールズベリー屈指の弁護士にのしあがったエズラは、金と名誉に異様なほど執着し、代々裕福な同業者を激しく憎み、非情で思いやりのかけらもない人間として描かれる。家族に対してもその態度は同様で、まさに暴君のごとく妻子を支配している。そのすさまじさは想像を絶するが、南部という土地柄と、赤貧から成り上がったという負い目がそうさせたのかもしれない。

 そしてその父エズラに、まさしく人生までも操られてしまった主人公ワークが、父の死をきっかけにみずからの人生を見なおしていく。父とはちがい、恵まれた環境に育った彼は、優秀な頭脳の持ち主ではあるが、いわゆるハングリー精神に欠けている。その分、人を思いやることができ、いざとなれば捨て身の行動も辞さないだけの勇気を持ち合わせてもいる。事件の真相とともに、彼が再生していく過程も味わってもらいたい。(訳者あとがきより)

三冊を、逆の出版順に読んだのが良かった気がする。ジョン・ハートの世界を堪能できました。

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

やまさん

Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
映画鑑賞、読書(映画の原作を先に読むことも多い)
登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
ブロとも一覧
最新記事
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。