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9月から読んだ本3冊

 「陰の季節」  ( 横山秀夫著 文春文庫 )

 「クライマーズハイ」を読んで、いい他の作品はないかと思っていた時この本が目についた。本の帯に<警察小説の旗手の原点>や<第5回松本清張賞受賞作>で決めた。
表題作の他に、「地の声」、「黒い線」、「鞄」が収められている。、「地の声」や「黒い線」のタイトルはあの松本清張の作品にもありそうなタイトル。

    kisetu_k.jpg

 「生存者の回想」  ( ドリス・レッシング著 水声社 )

 時代は、終末が迫っている危機の時代。都市生活は破壊され、公共の業務はストップし、電気もガスもなく、水は街頭の水売りから高価な代償を払って買うことになる。
都市には暴徒が生まれ、略奪が日常化し、人々は家を捨てて舗道で暮らす。
政府や官僚組織は、自己保存のために存在して、特権を楽しみ、無益な会合を重ねる。
こうした破滅と危機の源泉を、作者は「それ」という漠然とした言葉で表現し、人々の意識のなかに浸透し、そして破壊していくさまを微細に描き出す。

 話者の老女は、過ぎ去った文明の時代を忘れることができず、新しい時代に適応することができない。一方、若いエミリは苦しい生活を強いられてきたためか防御的で、たえず緊張して神経を張り詰めている。

    survivor.jpg     survivor2.jpg

 レッシングのSF小説は、現実の世界に対する強い危機感から生まれていて、その意味では空想小説というより、一種の社会小説として読まれる。みにくい黄色の獣であるエミリのペット(=ヒューゴウ)やSF的雰囲気は、以前の出版の表紙から伺える。

 「夜愁」  ( サラ・ウォーターズ著 創元推理文庫 )

 1944年、ロンドン。都会の廃墟で、深夜の路上で、そして刑務所の中で、日々の暮らしに必死でしがみつく女たちと男たちの運命はすれ違い、交錯する。ケイ、ヘレン、ジュリアの三人の女性のあいだの複雑な感情のもつれは、レズビアン・ラヴの関係で結ばれている。ヴィヴとレジーという一組の異性愛のカップルは、堕胎手術とその顛末が、異様な迫力とともに描かれる。

 「夜警」と「夜を見つめる」という両義をかけた原題の「The Night Watch」には、世界の闇と心の闇を見つめる作者の姿勢が伺える。レズビアンのミステリー作家ならではの作品内容。処女作がBBCで製作されてる。その画像(「Tipping the Velvet」=写真右)でも内容が想像される。

    sarahwaters.jpg     sarahwaters2.jpg       tipping.jpg

 第一部の1947年の時点から物語が始まり、第三部の1941年の時点で終わるという形式は効果的であり、続きとして最初から読みたくなる。あとがきにある、この時代のリサーチの文献に圧倒されるし、第三部の強烈な戦争批判も印象に残る。 



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やまさん

Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
映画鑑賞、読書(映画の原作を先に読むことも多い)
登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

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