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長編2冊!

7月21日(木)       「ロング・グッドバイ」   (レイモンド・チャンドラー著 早川書房)

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 フィリップ・マーロウは、偶然知り合ったテリー・レノックスにどこか惹かれるものを感じ、酒場で杯を傾けるようになる。しかし、ある長日、レノックスは資産家の娘である妻殺しの容疑をかけられ、マーロウに助けられて逃れたメキシコの町で自殺を遂げてしまう。彼はその死に疑問を抱くが警官にのされさんざんな目にあう。テリーからの手紙には「コーヒーをつぎ、タバコに火をつけてくれたら、あとはぼくについてすべてを忘れてくれ」(清水俊二訳)と書かれていた。やがて、別の事件でレノックスの隣人達の失踪と関わるようになったマーロウは、酒に溺れた小説家とその妻、ハウスボーイや出版社の編集者などを巻き込みながら事件の意外な真相にたどり着く。

 『大いなる眠り』や『さらば愛しき女よ』に及ばないと評されることもある。ハードボイルド小説によって社会批評を行ったことは注目すべきであり、また本作はチャンドラー自身の自伝的要素を持っていることでも有名である。読み応えのある内容に満足しつつ、残りの作品もいずれ読んでみたい。


 現在は以前から刊行されていた清水俊二訳の『長いお別れ』 と、村上春樹の新訳『ロング・グッドバイ』が両方とも流通している。1873年に監督ロバート・アルトマン、主演エリオット・グールドにより映画化された。邦題は『ロング・グッドバイ』。


8月2日(火)   「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」    (ジュノ・ディアス著 新潮クレストブック)

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 オスカーはファンタジー小説やロールプレイング・ゲームに夢中のオタク青年。心優しいロマンチストだが、女の子にはまったくモテない。不甲斐ない息子の行く末を心配した母親は彼を祖国ドミニカへ送り込み、彼は自分の一族が「フク」と呼ばれるカリブの呪いに囚われていることを知る。独裁者トルヒーヨの政権下で虐殺された祖父、禁じられた恋によって国を追われた母、母との確執から家をとびだした姉。それぞれにフクをめぐる物語があった―。英語とスペイン語、マジックリアリズムとオタク文化が激突する、全く新しいアメリカ文学の声。ピュリツァー賞、全米批評家協会賞をダブル受賞、英米で100万部のベストセラーとなった傑作長篇。

 「ありきたりの政治小説を書くことでは、トルヒーヨの幻燈のような力を捉えることは誰にもできないでしょう。だからこそ私は、もすごくオタク(=nerd:日本のオタクとは重なりながら違う部分も多い)的になる必要があったんです。呪いや宇宙から来たマングースやダークサイド抜きではトルヒーヨの治世には近づけません。それは僕らの<近代的な>思考では捉えられないんですよ」(作者インタビュー)

 本書を特徴づけてるのは、ノーベル賞作家バルガス・リョサへの猛烈な対抗意識とあとがきに書かれていた。リョサの代表作といわれる「チボの狂宴」(2000)への言及で、トルヒーヨ政権末期の権力闘争や彼の暗殺のなり行きについて、綿密な取材に基づいた上、息もつかせぬような見事な文章で綴っている。しかし、ディアスはこれが気に食わない・・・・・。

 それにしても涙が出るほどに、<短く凄まじい>オスカーの人生でした。

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Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
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登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

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