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読書いろいろ

 地方紙の本紹介記事で気になっていて注文した2冊が、 「別れの時まで」 と 「わたしが明日殺されたら」。前者はその後、朝日新聞にも紹介された。更に、初版売り切れとのことでほかの本屋で在庫を調べて後日手に入る。その間に準備として(!)読んだ本などのことを書きます。

 8月7日(日)     「わたしが明日殺されたら」     (フォージア・クーフィ著)

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 父には7人の妻がいた。わたしは23人の子供の19番目。「女の子じゃしょうがない」と、生まれてすぐ灼熱の地に放っておかれた。それは1975年のこと。まだ残虐なタリバンに国が支配される前だった―。血なまぐさい内戦で殺される父や兄たち。女性は迫害され、夫は無実の罪で投獄される。何度も死地をくぐりぬけながら、希望を捨てず教育を受け、やがてわたしの胸にひとつの決意が生まれる―。アフガニスタン次期大統領候補といわれる女性の壮絶な半生記。

 殺されるかもしれない。でも、平和な国と子どもたちの未来をつくるために、お母さんは出掛けます。アフガニスタンの女性政治家フォージア・クーフィが、二人の娘につづった手紙から本書は始まる。(原題は、「Letters to My Daughters」)

 母を殴る父は、尊敬される政治家でもあったが、交渉しようとした反政府勢力のムジャヒディンに銃殺された。逃避行の中で著者を守り育てた母は、最愛の息子を殺され、悲しみの中で死んだ。タリバンに逮捕され、迫害された夫は、結核で無念にも早世した。

 彼女は娘たちに語る。「お父さんの逮捕が、お母さんが政治へ向かう道の第一歩」でした。「お母さんには教育があり、自分の考えがありました。だからお父さんを助けるのにそれを使おうと決めたのです」。それと同じように、「困っている人を助けたいという気持ちが、今政治にとり組んでいるお母さんを導いてくれているのよ」。

 アフガニスタンの復興・発展にはまだまだ多くの障害がたちふさがっている。どんな難局にもくじけない彼女の姿勢に励まされつつ読み終えた。明るい展望が見えてくることを祈る。


        <背後にすさまじい現代史> 新潟日報 7月17日 評者:竹中千春(立教大学教授)


 8月8日(月)     「そこのみにて光輝く」     (佐藤 泰志著)

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 にがさと痛みの彼方に生の輝きをみつめつづけながら生き急いだ作家・佐藤泰志がのこした唯一の長篇小説にして代表作。海が、陽が、乱れた。崩れゆく季節―。全てをうしなった男と女がひきうける美しい試練。
<佐藤泰志>は、「海炭市叙景」(=映画も公開され、観ました)を読んでから他の作品をいずれと思っていた。

 北の都市で業績不振の造船所をやめてしまった達夫がパチンコ屋で出会ったバラック住まいの前科持ちの拓児、その姉の、体を売ることもあるホステスの千夏。三人の出会いが時には暴力を呼び、時には欲望を呼び、ここではない生活への希望を呼ぶ。 青春の夢と残酷を結晶させた伝説的名作が20年の歳月を経て蘇る。


 8月8日(月)     「ラジオ・エチオピア」    (蓮見 圭一著)  

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 ワールドカップに沸いたあの夏、僕と彼女は何度嘘をつき、傷つけ、愛し合っただろう。「僕」小説家、妻子あり。「はるか」ジャーナリスト。僕が彼女をひっかけたのか、彼女が僕を騙したのか。大人の危ない恋の決着は?

 主人公二人の会話のなかに、沢山の歌や本、お酒の名前がでてくる。サッカーにあまり興味がない者にとっては選手の名前さえどうでもいい。タイトルに惹かれ読んでみようと思ったが内容的についていけなかった。同じ作家の次の本は裏切らないでほしいもの。


 8月10日(水)     「別れの時まで」    (蓮見 圭一著)  

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 40歳になろうとする主人公で編集者の松永は、「家族」をテーマにした手記募集に応募してきた女性に興味を抱き、面接する。その女性、毛利伊都子はシングルマザーの舞台女優であった。妻と死に別れ、中学生の娘と2人暮らしの松永は、同じような家庭環境の伊都子に共感し、伊都子もまた松永に引かれる。子ども同士も仲良くなり、2人には何の障害もないように見えたが、突然過去の「亡霊」があらわれ、未来に暗雲が垂れ込める。やがて伊都子の息子の父親の正体をめぐり、松永はある謎に引き込まれていく。

 子持ちの中年男の恋愛もの、と思われた小説が急展開して、サスペンス小説の様相を呈し始める。伊都子の動静を探るように頼まれると、松永は真実を知りたさのあまり、断りきれない。そんな松永の優柔不断さが、この小説を安易なハッピーエンドに終わらせない伏線となっている。

 愛の本質とは! 相手の変えられない過去をも愛せるのか。どうしようもない運命を受け入れられるのか。「じ自分ならどうするだろう」と思いつつ読み進んだ。タイトルが示すように、結末は予想できたが後半の展開には驚いた。作者の前の作品をはるかに超えた出来となった作品。
 

      <弱さを自覚した男性の愛> 新潟日報 7月17日 評者:中江 有里(女優、脚本家)
      <中年男女の恋愛ものが急展開> 朝日新聞 7月17日 評者:逢坂 剛(作家)

 

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プロフィール

やまさん

Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
映画鑑賞、読書(映画の原作を先に読むことも多い)
登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

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