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10月の本

10月18日(火)       「ノアの羅針盤」    (アン・タイラー著)

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60歳になって学校からリストラされた教師が、新生活の門出の夜、何者かに襲われる。病院で目覚めた彼に襲撃の記憶はなく、やがて彼は偶然出会った記憶係の女性に惹かれる自分に気づく。退院をきっかけに同居をはじめた末娘を始め、彼を取り巻く女たちとの葛藤を淡々と描きつつ、新しい人生の意味を浮かびあがらせる、名手アン・タイラーの新作。

アン・タイラーの本は、起伏のない話の展開なのに思わず頷いたりする。『結婚のアマチュア』以来、6年ぶりの作品です。この本も後半の数十頁は読み応えがある。リーアムのことが人事ではないとしみじみ感じた。
物語の主人公は男性なのですが、表紙カバーが気になっていた。表紙カバーに描かれている六人の女性には、ミリーとバーバラとユーニス、そして三人の娘。


10月26日(水)       「イサム・ノグチ」 (上・下)     (ドウス昌代著)

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 イサム・ノグチの名前は知らなくても、彼の「あかり」の連作なら誰もが見知っているだろう。シンプルな紙細工の照明器具は、デパートなどで販売されてきた「芸術作品」であり、サラリーマンでも容易に入手できることをイサムは誇りにしていたという。
 
 本書は「ミケランジェロの再来」とも言われた彫刻家イサム・ノグチ(1904-1988)の生涯の最もプライベートな部分まで、FBI文書などの貴重な未発表資料を数多く用いて丹念に描き出す。その人生は物語の主人公のように波瀾万丈で、登場する人物も実に多彩である。22歳のイサムを「助手」として迎えた彫刻家ブランクーシ、イサムの「パトロン」としてさまざまな援助を惜しまなかった陶芸家北大路魯山人。山口淑子(李香蘭)との数年にわたる結婚生活をはじめ、その華麗な女性遍歴もつまびらかにされる。豊富な肖像写真によって、人々を引きつけてやまないイサムの魅力が生き生きと浮かび上がる。

 日米の混血児として、日本のみならずアメリカでも第二次大戦前後に辛酸をなめたイサムの一生をたどる本書の焦点は、モダンであることを常に追求してきたイサムの作品の芸術的評価や分析以上に、どちらの国にも帰属し難かった彼の懊悩(おうのう)にあてられている。惜しまれるのは、もし本書が巻末に人名索引を備え、せめて数点でもイサムの代表的彫刻作品をカラーで紹介していたら、専門の研究者にとってもさらに有用なものとなっていただろうということである。


10月28日(金)     「勝手に生きろ!」  (チャールズ・ブコウスキー著)

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 1940年代アメリカ。チナスキーは様々な職を転転としながら全米を放浪する。いつも初めはまじめに働こうとするが、過酷な労働と、嘘で塗り固められた社会に嫌気がさし、クビになったり自ら辞めたりの繰り返し。そんなつらい日常の中で唯一の救いは「書くこと」だった。投稿しては送り返される原稿を彼は毎日毎日書きつづける。嘘と戦うための二つの武器、ユーモアと酒で日々を乗り切りながら。ブコウスキー20代を綴った傑作。
映画『酔いどれ詩人になるまえに』原作。

 この小説は、クヌート・ハムスンの『飢え』とジョン・ファンテの『塵に訊け』を下敷きにしているという。DHC2002年版では、ブコウスキーが序を書いてる。


11月9日(水)      「シネロマン」     (ロジェ・グルニエ著)

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 時は1930年代、フランスの田舎町の映画館《マジック・パレス》……。その創立者や後を継いだ親子たちの生活が哀歓込めて描かれる。生の苦さと虚しさが胸に迫るフェミナ賞受賞作。

 タイトルについて(あとがきから)
シネロマンとは、本来は、どうやら、はじめから映画化を考慮に入れて書かれた小説、あるいは、逆に、映画をもとにして描かれた、絵や写真入りの通俗小説のたぐいを指すものらしい。そしてまた、20年代に流行したといわれる、一連のフィルムを通していくつかの挿話が語り継がれてゆくという形式を持つ、シリーズものの映画を意味するものであるらしい。だが、ロジェ・グルニエは、この物語がシネマ つまり、映画館および映画そのものをめぐっての物語であるがゆえに、シネロマンというタイトルを、ここに採用したのだろうし、それにまた、短い挿話①を次々につないでゆくというこの物語の形式も、このタイトルの由来と無縁ではないだろう。

 物語の舞台は、たいそうみすぼらしい映画館マジック・パレス。これは、スペイン国境近くのフランスの小都市の、それも場末の、ちっぽけな三流映画館だ。そして、時代は、1830年代。作者は、映画館主夫妻の一人息子フランソワをはじめとする幾人かの人物たちの日常を書きとめ、同時にまた、マジック・パレスのスクリーンの
上に映し出された幾多のフィルムについても、あるときは愛情とノスタルジーをこめ、あるときは失望をまじえて、述べていく。こうして、われわれの前に、30年代の一時期におけるささやかな年代記が、徐々にかたちをなしていく。

     ①46の断章があるが、その44:<その後に>は圧巻である。

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やまさん

Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
映画鑑賞、読書(映画の原作を先に読むことも多い)
登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

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