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新田次郎を読む

 今年の2月の地方紙で、<大変を生きる>災害と文学(34)として紹介されていた本が新田次郎の『怒る富士』でした。6月にこの本を読んでから時間があったらもっと(昔かなり読んだものを含めて)読んでみたいと思っていた。

 8月18日(土)         「風の遺産」   (講談社文庫)  

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 滝秀一の妻・蓉子は、新宿駅で体調を崩したところを見知らぬ男に助けられ、救護所まで運ばれた。男は名前も告げずにいなくなってしまったが、忘れていった山岳雑誌が唯一の手掛かりだった。蓉子の会社の同僚・穂坂久実の機転で、蓉子を助けたのは伊村真平だとわかり、蓉子,久実,伊村,伊村の従兄弟・宮島の4人で乾徳山へ行くことになった。蓉子は伊村らに自分が既婚だと言っていないこと、今回の山行が男性と一緒だということを夫に告げていないことを気にしていた。一方、蓉子の夫で新聞記者の秀一は取材を通じてたまたま伊村と知り合い、蓉子が嘘をついていることに気付いた。
 伊村らは冬の谷川岳行きを計画したが、宮原がスキーで捻挫してしまったこともあって伊村と蓉子の2人で出かけることとなった。ところが、悪天候で2人は茂倉小屋に1週間も閉じ込められてしまい、マスコミから好奇の目で見られることとなってしまった。
 昔のしかも冬山の話は想像できないが、軽い感じの本に思えるのはなぜか。茂倉小屋ってあの?!

 8月19日(日)         「わが夫 新田次郎」 (藤原てい著 新潮社) 

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 藤原ていが、新田次郎と結婚してから夫と死別するまでの回想記である。気象技官であった夫は、満州へ転勤となり、子ども3人と幸せな家族生活を送るが、敗戦によって一変。日本に向けての移動が始まる。途中、夫はソ連に連行されてしまうが、妻は子ども3人を伴い、筆舌に尽くしがたい大変な苦難を伴って帰国を果たす。夫は約1年後に奇跡的な帰国を果たし、日本での生活が始まる。
 それからは日本で生活を立ち上げていくのだが、死ぬか生きるかの敗戦前後とは状況が変わり、日々の生活の中を通して、筆者が感じたこと、特に、夫の我儘とそれを適切にあしらう妻の姿などを、面白おかしく描いている。妻も負けじと自己主張はしつつも、夫のことを想う気持ちを通し、細やかな夫婦愛が伝わる一冊である。


 8月21日(火)         「小説に書けなかった自伝」 

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 安月給の生活苦。妻の本に触発された訳ではないが、小説に挑戦してみようと思った。しかし、何をどう書けばいいのかまるでわからない。なくされた原稿、冷たい編集者、山岳小説というレッテル、職場での皮肉。フルタイムで働きながら、書くことの艱難辛苦…。やがて、いくつもの傑作が生まれていく。事実を下敷きに豊かな物語を紡いで感動を生んできた新田文学の知られざる内面史。
 新田次郎の作品がどのようにして出来上がったか年代順によく分かった。この作家はモデル小説が得意で私も好きな作品が多い。


 8月23日(木)         「縦走路」    (新潮文庫)

   juusou.jpg

      美貌の登山家と山男二人。その恋には恐るべき罠が仕掛けられていた。
     人間の本質を見据えた新田文学の真骨頂。

 北アルプス、冬の八ヶ岳で二人の山男は、「女流登山家に美人なし」と言う通念をくつがえす、美貌のアルピニスト“千穂”に夢中になる。彼女の旧友でライバルの美根子を交えた四人の間に恋愛感情のもつれが起こるが、命がけの北岳胸壁攻撃の後、千穂は……。きびしい冬山と氷壁を舞台に、“自然対人間”そして“男対女”を通して緊迫したドラマをみごとに描く傑作長編山岳小説。
 
 <女流登山家に美人なし>が気になったが、タイトルと中味が予想と違っていた。表紙の下は激情人間ドラマなう帯で隠れていた。更にその裏には、「針の木小屋」「南八ヶ岳」「北岳」の説明がありました!

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やまさん

Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
映画鑑賞、読書(映画の原作を先に読むことも多い)
登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

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