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順調な読書

黒と青 (アナ・クィンドレン著 集英社)

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 アナ・クィンドレンというと、 「母の眠り」 (M・ストリープ、W・ハート、R・ゼルウィガー出演)を思い出す。その頃、この作品があることを知ったのですが翻訳はされてなかった。「はじねて夫に殴られたのは19のときだった」の冒頭の衝撃的な言葉で始まる小説は、ドメスティック・バイレンス(DV)を扱ったもの。夫の暴力に傷つき苦しむ主人公が、新たな人生を踏み出したことで変わっていく。家族や結婚、生きること、愛することについて考えさせられる。しみじみと胸を打つ説得力ある作品。(7/23)

クラマーズ・ハイ (横山秀夫著 文春文庫)

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 1985年夏、日航ジャンボ機が群馬県上野村山中、御巣鷹山に墜落した。墜落翌日の昼、フジテレビの取材班が生存者の発見をリアルタイムで放映。この映像は、その年の新聞協会賞を受賞した。取材班はテレビ局の裏方、技術職に従事してきた中年たちだった。この技術クルーの物語をノンフィクションとして書いた。著者・横山秀夫がこの当時、地元群馬の上毛新聞の記者であったという。

 事件発生時、衝立岩登攀を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。組織の相克、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉、報道とは・・様々な問題が提起される作品は、映画化作品も注目されている。(7/30)

時が滲む朝 (楊逸<ヤン・イー>著 文芸春秋)

   nijimuasa.jpg(7/31)

私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか (島村英紀著 講談社文庫)

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 国際的に有名な地質学者が、「業務上横領」で告訴され、2008年2月1日「詐欺」容疑で逮捕。7月21日保釈。この不可解な逮捕劇を描いたのではない。171日間という長期の拘束期間、科学者は何を経験したのか。逮捕・拘留されると「どうなるか」を科学者の目で解析する。

 かつての勤務先、北海道大学から業務上横領で札幌地検に告訴され、札幌地検は業務上横領では立件が無理だと判断して、ノルウェイ・ベルゲン大学を被害者とする詐欺罪で逮捕・起訴した。(7/28)

ヒストリー・オブ・ラヴ (ニコール・クラウス著 新潮社)

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 レオ・グルスキ: ナチスに追われてアメリカに渡り、錠前屋として50年以上ひっそり暮らしてきた男。間近に迫った死を前にして、もう一度人生を掘り返そうと57年ぶりに文章を書き始める。<少年はひとりの少女を愛した。少女の名はアルマ。
 アルマ・シンガー: 髪が黒く、痩せっぽちの15歳。夫に先立たれた母と弟の3人暮らし。彼女がアルマと名づけられたのは、じつは、両親にとって大切な一冊の本《愛の歴史》(ヒストリー・オブ・ラブ)に出てくる少女がすべてアルマと呼ばれていたからだった。やがて、少女はその本のなかのアルマが実在すると信じるようになり、もうひとりのアルマを探し始める・・・。

 ちょうど一年前に読んだ 「風の影」 (カルロス・ルイス・サフォン著)を思い出します。人間に対するやさしさがあふれる作品で、ラストは感動的です。いい作品にめぐり合いました。なお、この作品は映画化が決まったそうです。それも楽しみです。 (8/3) お薦め作品! 


またの名をグレイス (マーガレット・アトウッド著 岩波書店)

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 現代カナダ文学を代表する作家アトウッドの最高傑作j(ギラー賞受賞)。1843年にカナダで実際に起きた殺人事件に題材を求め、入念な飼料調査をもとに仕上げられた作品。若くて類いまれな美貌の主人公グレイスは女悪魔・妖婦だったのか、それとも汚名を着せられた時代の犠牲者だったのか。16歳で事件に関わり約30年間服役した。同国犯罪史上最も悪名高いと言われている女性犯グレイス・マークスの物語である。記憶の信頼性とアイデンティティの揺らぎ、人格の分裂、夢、性と暴力をはじめとする人間存在の根元に関わるテーマを、多彩な小説手法を駆使しながら、大きな物語に描き上げた力作。

 「物語ではグレイスもまた語り手であり、語ろうという強い動機と、隠しておこうという強い動機を持っています。有罪判決を受け、服役している犯罪者として彼女に残された唯一の力は、この二つの動機が混ざり合ったものからきています。・・・今日私たちは、記憶の信頼性、物語の確かさ、時代の連続性に不安を持った20世紀の終わりに生きています。」
「真実は時として、知ることができないものなのです。」(以上本の表紙裏から)

 <「小説って面白いものだなと」痛感させられる大作だ。脳みその、かけがえのない喜び、と言ってもよい>(朝日新聞8月3日、阿刀田高評)をみてから読みたくなった作品。小説の設定は、若い精神科医サイモンがグレイスに親しく接しながら幼い頃から現在の生活について逐一語らせるという構造。魅力的な女性として描かれているのは、アトウッドの筆力! (8/6)

ガラスの宮殿 (アミタヴ・ゴーシュ著 新潮社)

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 「魔法のような語り口、物語の愉楽。悠然たる時が胸を締め付ける
  孤児と次女、エリート官僚の妻。20世紀のうねりのなか、彼らとその一族の生と死、「運命の恋」が息づく。在米インド系作家による世界文学の名品。

 一場面一場面がこんなに鮮やかで、こんなにリアルで、百数十年の歴史を書きこんだサーガでありながら、読後本を閉じてみれば、すべてはかない一夜の夢のように思えてくるのはなぜだろう。あまたの視線が交錯し、人々の生はどこかおぼろな影のように飛びすぎていく。(以上 本の帯から)

 物語は、孤児のインド人ラージクマールが、同じく孤児のビルマ人のドリーと運命的な恋に落ちるところから始まる。ともに手を携えて激動の人生を歩んでいくさまが、端正な筆致で語られていく。物語の中盤では、次の世代の個性的な人間たちも加わる。そして、第7部では、ラージクマールの孫ジャヤがみずからのルーツを解明していくさまは、印象深く描かれる。

 素晴らしい作品にめぐり合うことができました。(8/17) お薦め作品! 

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プロフィール

やまさん

Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
映画鑑賞、読書(映画の原作を先に読むことも多い)
登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

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