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転落少女と36の必読書

11月23日(金)      「転落少女と36の必読書」    (マリーシャ・ペスル著)

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 本の表紙を見ただけなら高校生が読みたくなる<学園モノ>かと思った。分厚いので中を見てみたら‥‥。必読者リストにあがってるのが有名な外国文学がある。外国の20代の女性が放った恐るべきデビュー作とある。読んでるうちにその内容と共に不思議な世界へと入って行く。

 本書の各章題には古今の名作タイトルが並んでいる。
「オセロ」(シェイクスピア)、「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)、「すばらしき新世界」(ハクスリー)、「危険な関係」(ラクロ)、「ボヴァリー夫人」(フローベール)、「スタイルズ荘の怪事件」(アガサ・クリスティ)、「白鯨」(メルヴィル)、「眺めのいい部屋」(フォースター)、「闇の奥」(コンラッド)、「カッコーの巣の上で」(ケン・キージー)、「百年の孤独」(ガルシア・マルケス)、「大いなる眠り」(レイモンド・チャンドラー)、「チェ・ゲバラ、若者たちに語る」(ゲバラ)、「審判」(カフカ)、「失楽園」(ミルトン)、「秘密の花園」(バーネット)、「吠える、その他の詩」(ギンズバーグ)、「じゃじゃ馬ならし」(シェイクスピア)、「脱出」(ディッキー)、「カッコーの巣の上で」(キージー)、「荒涼感」(ディケンズ)、「ジュスティーヌ」(サド)、「メルラーナ街の恐るべき混乱」(ガッダ)、「崩れゆく絆」(アチェベ)、「夜の陰謀」(ハーヴェイ)、「田舎の善人」(オコナー)、「変身物語」(オウィディウス)

 ブルー・ヴァン=ミアは、大学教授の父の影響で古今の文学や映画に精通している女子高生。幼くして母を亡くし、父の転勤にともないアメリカ中を転々として成長したブルーは、高校の最終学年で、ある私立のエリート校に転入する。人づきあいも恋も苦手な彼女だが、女性講師ハンナを囲む大人びた生徒たちのグループに取り込まれ、彼らとともに謎めいたハンナのプライバシーを探ることになる。衝撃の知的青春ミステリー。

「前半は、いっぷう変わった青春小説。後半は、まさかの展開のミステリー。古き良き文学や映画で読者のノスタルジックな気持ちをくすぐったかと思えば、思いがけないところで不気味な事件や不可解な出来事を割り込ませて、脳細胞を快く刺激してくれる。そしてあちこちにさりげなくちりばめられた伏線が、後半、ひとつひとつ拾いあげられていくさまには驚くほかない。」(訳者あとがきより)

 本文にはおびただしい数の注(おもに参考書)が挿入され、作者自が描いたペン画のイラスト(視覚資料)も何点か収められている。本書で作者が言及している参考書やその引用文の多くはフィクション、つまり作者の創作によるもの。ただし、映画のタイトルはほとんどが実在のものだし、書名も、古典的な作品はほとんど実在する。映画好きな私にとっては、上巻が特に興味深かった。下巻は意外な展開もいい。

 作者のマリーシャ・ペスルは、1977年、アメリカのミシガン州生まれ。三歳のときに両親が離婚し、妹とともに母親のもとで育った。母親は大変な読書家で。娘達が子どもの頃から西洋の古典を読みきかせていたという。20代でこんな作品が書けた才能に驚く。次の作品"Night Film"も楽しみです。


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Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
映画鑑賞、読書(映画の原作を先に読むことも多い)
登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

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