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読みたい本! ゾクゾク?

11月24日(土)      「光線」 (村田 喜代子著)

   Kousen.jpg

 作家の村田喜代子さんは、東日本大震災の数日後に子宮体ガンが発覚。摘出手術を避け、鹿児島市で一か月間、強いX線のピンポイント照射を受けて、3か月後にガンは消滅しました。治療中、放射線宿酔でふらつく体で震災関連のニュース、福島原発の推移をテレビで見るうちに、ある不思議な気持ちが芽生えてきた、とおっしゃいます。
「文學界」でこの一年半の間に発表された連作6編のうち、「光線」「海のサイレン」「原子海岸」「ばあば神」の4編は、この村田さんの内なる震災体験から生まれました。原発からもれる放射線と、自分の下腹部にあてられる放射線が混ざり合うのを感じる、という村田さんならではの感覚、個人と社会の災厄が重なるという稀有な体験が、作品の随所で顔をだし、見事に文学に昇華されています。
「こうして6作の異なる短編の顔を見較べると、これも『地』というものの話だった。人間の生きる所は、すべて『地』によっている」(あとがきより)

 本の最後に収められたのは、震災前に書かれた「楽園」。山口県のカルスト台地の地下800メートルに位置する鍾乳洞で行われる〈暗闇体験〉。一人の探検家が文中でこう言ってます。「洞窟に潜ることは、存在とか認識に関わる哲学体験であり、造物主に近づいていく創造的体験である。またその体験をしているとき、自分にとって地上は『楽園』である」。この足の下の場面が永遠に盤石であることを願い、この光あるタイトルの作品をラストにもってきました。


12月5日(水)      「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」 (ジョン・ル・カレ著)

   Ttss.jpg   Uragiri.jpg  映画化作品 「裏切りのサーカス」

 国情報部“サーカス”の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せ。引退生活から呼び戻された元情報部員スマイリーは、困難な任務を託された。二重スパイはかつての仇敵、ソ連情報部のカーラが操っているという。スマイリーは膨大な記録を調べ、関係者の証言を集めて核心に迫る。やがて明かされる裏切者の正体は?スマイリーとカーラの宿命の対決を描き、スパイ小説の頂点を極めた三部作の第一弾。著者の序文を付した新訳版。

さりげない会話でかなりの時間を割いても、そこから得られる情報は確かなものとは限らない。登場人物も多く、かなり読み進んでも分からない! 映画を見て確かめたいです。読み応えがあるのですが‥‥


 12月9日(日)      「ピエタ」 (村田 喜代子著)

   Pieta.jpg

 8世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で“合奏・合唱の娘たち”を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる―聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独…あらゆる対比がたくみに溶け合った、“調和の霊感”。今最も注目すべき書き手が、史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編。

 ヴィヴァルディに関わった様々な女性たちの暮らしや人生が見えてきます。ヴェネツィアの風景や当時の風俗なとがゆったりと流れるように語られるのが心地良い作品でした。

 1712年、アムステルダムから出版された「調和の霊感」は、ヴィヴァルディが当時勤めていた、ヴェネティアのピエタ養育院の女生徒たちの楽団のために書かれた曲から特に評判の良かったものを12曲まとめたものらしいです。なお、ピエタの少女たちの演奏も抜群で、とても人気があったとのいう。

 
 12月10日(月)      「図書室からはじまる愛」 (パドマ・ヴェンカトラン著)

   Toshositu.jpg

 1941年、インド。お嬢さまとして何不自由なく育ったヴィドヤは、尊敬する父親が重いけがを負ったことで生活が一変、苦しみの日々を送るようになる。しかし、禁じられた図書室にしのび込んだことから、希望を見いだしていく…。2009年全米図書館協会「ヤングアダルトのためのベストブックス」ボストン作家協会賞受賞。

 登場人物は主人公で15歳の少女ヴィドヤと、その兄キッタ、父(アッパー)、母(アッマー)、父方の祖父(ターター)、ともに暮らす大家族のおじやおばたち、そして遠縁の青年ラマン。それぞれの性格も立場もはっきりしていて、原題にある「階段をのぼる」の意味も、明らか。それでいて、決してありきたりでも、軽くもなく、読み手にどこか居住まいを正させるようなところがある。威厳があり、美しくて深い。限られた数の登場人物と素朴なあらすじで物語がくり広げられる舞台は、第二次世界大戦中の南インドはマドラスに暮らすカーストの最高位ブラーフマン一族の家。

 本来ならば禁じられた階段をのぼって図書室に通い、自由、自立への一歩を踏み出そうとします。本を読むこと、知識を得ることで自分を育み、人を愛することのできる、助けることのできる人間になろうとするのです。書物を通して、いつの時代にもどこの地にも、愛や自由や平等を求め苦悩する人びとがいたことを知り、その普遍性に勇気づけられ、ヴィドヤは人生の階段を自力で少しずつのぼりはじめます。(訳者あとがき)





 

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Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
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登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

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