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やっと3冊

3月20日(金)    「昏き目の暗殺者」   マーガレット・アトウッド著

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「カナダ文学の女神」と呼ばれるマーガレット・アトウッドのこの作品は、あるブルジョア一家の波瀾万丈のサーガともいえる。大恐慌とふたつの大戦を生き抜いた女たちの”戦記”でもあり、身分違いのロマンスを描いた姦通小説でもあり、神話仕立てのSFファンタジーでもある。82歳のおばあさんが誘う、底知れない孤独と哀しみを湛えている。そして、ダシール・ハメット賞に輝いたミステリでもある。

1945年、妹のローラは車ごと橋から転落して死んだ……あれは本当に事故だったのだろうか? 
いま、年老いた姉のアイリスは、孤独のなか自分の来し方とともに思い返す。それに、ローラの死後出版され、彼女を伝説の作家にまつりあげることになったSF小説『昏き目の暗殺者』に描かれた恋人たちは誰がモデルなのだろうか? わたしたちチェイス家は代々、釦工業で財をなす、ポート・タイコンデローガの町いちばんの名家だった。だが、労働運動の激化で家業が傾き、わたしは父のライバルに台頭してきたリチャード・グリフェンのもとに嫁ぐことになった。無垢そのもので世事に疎い妹ローラには、家運を背負ってのわたしの決心など理解しようもなかった。やがて、娘をもうけたわたしの前に、すべてを突き崩す事実が立ちふさがる……。

アイリスの言葉にもあるように、思い出もさほどの癒しにはならない。「亡くなった人を理解することほど難しいものはないってことがわかりました。だからといって彼らをないがしろにすることほど危険なこともないでしょう」。アトウッドは、ポストモダン風の冷笑主義や、作中人物たちを軽視する昨今の文壇の傾向に流されない。深い愛情を人物に注ぐだけの余裕があるからだ。アイリスのとぎれとぎれの回想に読者が引き込まれていくにつれ、このとりすました社交界の婦人には、実は自らをとり巻く混沌がすべて明瞭に見えており、"blind(盲目)" などではなかったことが明らかになっていく。

4月5日(日)     「モンテ・フェルモの丘の上」   ナタリア・ギンズブルク著

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 ナタリア・ギンズブルグの「マンゾーニ家の人々」や「ある家族の会話」はすばらしい作品でした。いずれも須賀敦子翻訳を担当している。須賀敦子自身の文章も興味深い。ギンズブルグの作品で、池澤夏樹=個人編集 世界文学全集(*)にこの作品を見つけ読んでみる事にした。

 モンテ・フェルモの館<マルゲリーテ>。そこはかつて若者たちが集う、不滅の友情の砦だった。しかし、時は流れ、それぞれが求めた自由への道は、」多くの関係を壊し、多くの絆を断ち切っていく。喪失の悲しみの中から、人はふたたび関係を紡いでいくことができるのだろうか。

 全部手紙からなる書簡体の小説だから、一通読むごとに誰かと誰かの仲が明らかになる。(ちなみに、「ある家族の会話」は日記による)
人と人の結びつきが複雑であり、いろんな人が急になくなったりで人間関係がうまく把握できないまま読み進んでいった。

 *この本にもうひとつの作品があり、タイトルは「アルトゥーロの島」です。作者のエルサ・モランテという名をどこかで聞いたようkな・・・。分かりました! 映画化作品が「禁じられた恋の島」です。
タイトルを聞いて懐かしくなった。(作品は観てません)
落ち着いたら読んでみます。

4月6日(月)  「ぼくと1ルピーの神様」   ヴィカス・スワラップ著

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 クイズ番組でみごと全問正解し、史上最高額の賞金を勝ちとった少年ラム。警察は、孤児で教養のない少年が難問に答えられるはずがないと、インチキの容疑で逮捕する。しかし、奇蹟には理由があった―。殺人、強奪、幼児虐待…ずっと孤独に生きてきた少年が、インドの貧しい生活の中で死と隣あわせになって目にしてきたもの。それは、偶然にもクイズの答えでもあり、他に選びようのなかった、たった一つの人生の答え。幸運を呼ぶ1枚のコインだけを頼りにしてきた孤児の、残酷だけれど優しさに満ちた物語。

 第81回米アカデミー賞で、ダニー・ボイル監督の「スラムドッグ$ミリオネア」が、作品賞や監督賞など8部門を制し圧倒的な強さを見せた。その原作本です。原題は「Q and A」です。映画を観るのが楽しみです。


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Author:やまさん
 趣味はいろいろあるのですが、時間とお金の使い方が巧くいかない。
(時間があるときに限って、お金がなかったり)
映画鑑賞、読書(映画の原作を先に読むことも多い)
登山(ハードな山登りもこなすために日頃のトレーニングで汗をかく)
釣り(防波堤や浜での海釣り)
コンピュータのソフトを使い、書籍や雑誌、切り抜きの整理・・

 気軽に何でも書き込みして下さい(場所も気にしないでいいです)。

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